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引き金 ※主人×暗殺者(元ボディーガード)パラレル


※パラレルです

「全部、知ってた」
鈍い色を放つそれが自分をどうするかというのも分かっていたはずなのに、太子はそれに怯えることもなく目の前の彼、妹子に笑いかけた。妹子の持つ鈍い色のそれ、つまり銃は重々しい雰囲気を漂わせながら、それでも只太子に向けられていた。
「知ってたよ。妹子が私のボディガードじゃなかったなんてことも。妹子が本当は私を殺すための暗殺者のスパイだったってことも、全部全部、知ってたよ。」
私を甘く見るなよと何時ものように太子は妹子に笑いかける。…無邪気に。
妹子は何も言わない。ただそれの引き金に手をかけて黙って太子を見つめているだけだった。
「それと、妹子が嘘つくのが下手だってことも」
ぴくり、と妹子の肩が震えた。
「妹子が、僅かに身体を今震わせてるのも」
その一言で本当に極小だった震えは次第に勢いを増していった。がたがたがたと妹子の身体が揺れる。太子は妹子を優しく見つめた。今までと変わらない優しい眼で。妹子は歯を噛み締めて、銃にすがりつくように右手に力を込め、それでいて泣きそう、で。
(抱きしめてあげられたらいいのにな)
でもそれはもう叶わないこと。自分の考えに失笑しながらも、太子は妹子をせめてでも落ち着かせるように笑って見せた。
「たい し」
震える唇から僅かに零れた自分の名前に、太子は一瞬くしゃりと顔を歪めたが直ぐに笑みに戻した。
「妹子」
それに応えるかのように自分も名前を呼んで。

「引き金、引きんしゃい。」

やさしくこどもをあやすかのような声に、妹子はまた身体を震わせた。

***

こんな本当はスパイでした話を書きたくてしょうがなかったけど話にまとまらないのでsss化。いつかまとめられたらいいよね^q^

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